ライター・藤丸心太(ふじまるじんた)のブログ。本の感想とかゲイネタとか創作系など。お仕事依頼などはメールで。リンク・TB自由。コメントは承認制。fujimarujintaあっとgmail.com (あっとを@に変更)


by bogdog

カテゴリ:本の感想( 23 )

詩羽のいる街

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詩羽のいる街

おもしろかったー!
いいモン読んだなあ。

お金を持たずに暮らしている「詩羽」という女の子の話で、
じゃあホームレスかっていうとそういうものでもなく、人に親切にすることで、そのかわりにちょっとしたご飯だったり、一晩の宿だったりを貰って、生活している人の話。

詩羽は、街で偶然であった人を、自分の世界に引き込んで、人と人が繋がる生き方をどんどん教えていって、触媒みたいに、人をかえていく。「ルールを守る」ことを目的とするんじゃなくて、「他人と協力するようなルールをつくって、それを守ればみんな得をする」という生き方を示していく。すばらしい。

こういう生き方があるんだ! と目からウロコでした。本当、マネしたい。

って、今の自分、半分は詩羽みたいな生活なんだよね。フリーライターでなにが仕事もらえるかっていうと、(営業とかもするんだけど)「人からの紹介」っていうのが一番で。「この人ならいつも親切にしてもらってるから、声かけてみようかな?」って思うんだよね。

でも、今の自分が何と繋がってるかっていったら、ごくごく小さい世界で、自分から世界を広げようとはしてないんだよねえ。アパートから見える、となりの一軒家のおばあちゃんとか、あの人に、犬の散歩代わりに行ってあげましょうか。僕犬好きなんです。とか言ってみようかなー。そうすれば、犬が好きだけどアパートで飼えない自分も、散歩に連れて行きたいけどいけないおばあちゃんも、ふたりとも得するわけだし……そんなふうに、「地域と繋がる」ことを可能性として考えたよ。

いろいろ示唆があって、ネット社会のリアリティの所在とか、悪意とか、そういうことを書いていてものすごくよかった。とくに、自費出版ビジネスをちゃんと仕事としてやっているフリーの編集のエピソード。あれはよかったなあ。本当にやろうかな?
それと、4章の「らき☆すた」神社ネタを、町おこしに絡めてるのとかよかったー。感動した。

とまあ、感想がグダグダでごめんなさい。
すごくいい話でした。



この本を一言で紹介する、というわけじゃないけれど、もし友達に「こんな本読みたいんだけど、知らない?」って言われた時のために、ひとことで解説してみる。

【お金を持たずに暮らしている人の話】
【新感覚ヒロイン】
【人に親切にすることが、愛や善意といった言葉でごまかされずに、システムとして機能している話】
【「2ちゃんねる」などのネット社会の悪意と解決策を書いている話】
【課題図書にしたいっす】
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by bogdog | 2009-01-06 01:18 | 本の感想

きりうゆかりの難民部屋

「夏の滴」「川を覆う闇」などを書いたホラー参加、桐生祐狩氏が小説をブログで公開してますー。

きりうゆかりの難民部屋

友人からすすめられて、「川を覆う闇」を読んだときの衝撃といったら……。
とにかく汚いものがぐちゃぐちゃ出てくる恐ろしい話です。


ジン太、果実酒を作るのが趣味で、梅やリンゴや柿など、酒につけては眺めてるんだけど、「夏の滴」読んだら……(ネタバレのため自主規制)……ドラゴンフルーツ酒とかありえないぐろさっすね。もうのめねえ。


そういえば、SFもホラーも一文字もしらないくらいだったのに、きりう先生の本読んでから、角川ホラーだの角川SF文庫だの、惑星ソラリスだの読むようになったと思うと感慨ぶかいものがある。
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by bogdog | 2008-11-11 15:19 | 本の感想

「読書進化論」勝間和代

友達の日記で知った、「読書進化論」勝間和代(小学館新書)読了ー
http://www.amazon.co.jp/dp/4098250012

ウェブ時代の本の読み方・付き合い方、ひいては本をいかにして売っていくかというマーケティング術を書いた一冊。本好きとしても、本を売る側としてもとてもためになる一冊。

本好きとして、膝を打ったところがいくつかあるんだけど、自分にあう本を見つける方法として、味見するように本を手に取ってパラパラ読んでみて、「あ、この著者ともっと話をしてみたいな」と思うのを買う、というのはすごく腑に落ちた。

僕自身、やりたいテーマがわりと近かったり、これはよむべきって友達に薦められたりした本がいくつかあるだけど、なぜかどーしてもページを開く気になくて。この著者とは話をしたくない、という言い方がしっくりするんですよね。

あとがきでムカつくことを書いてあったら本なんて買いませんよ、ブックオフで読んでやります! みたいなことを福満しげゆき氏も言っていたし…

(ちなみにジン太が最近一番ムカついたあとがきは『MONSTER』の手塚真のあとがきです。オマエは何様だ……。そういえば、自分が好きなマンガってカバー裏におまけ漫画がある確率が高いです)

と、同時に、文章を発するほうとしては、「コイツとは話したくないなー」って嫌われたら買われないし、読まれないということが、あらためてわかってシビアな現実に身が縮こまる想い。でもそうなんだよね。結局は「好き・嫌い」で動くのはあたりまえだから。あとがき1つ、ブログの文章1つ、本当に気抜けねえ……そんな気持ちで、Badiの編集後記も書いております。

本を売る側としても、どのように「勝間ブランド」を築いて行くとか、書店との連携やプロモーションの方法など、すごくためになる。「書いた時間よりも売る時間をたくさんとるべき」というのは本当にそうだと思う。

小学館のこの特設サイトも気合い入ってていいです。
http://sgkn.jp/katsuma/


フェミニズムなところも好きなんですよね。
最強ワーキングマザー対談:西原理恵子×勝間和代(1)「女の人は働いたほうがいい」
http://mainichi.jp/life/kaasanchi/news/2008/06/47.html
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by bogdog | 2008-10-30 10:49 | 本の感想

愛しの「ヒグマニア」様

買っちゃったよ。ヒグマニア。

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ヒグマニア 黒猫ヒグマのゆかいな毎日

猫ブログが人気になって久しいですが、ジン太は猫に「おとうさんがご飯を食べさせてくれたニャン」なんてアテレコするのをmushizu系と言ってはばかりません。

でも猫は好き……甘えてくれなくても好き!

そんなわけで、この
ヒグマニアは、毎日見てにやにやしてました。

キャプションがおっさんくさくて絶妙で最高!

キャプション担当のスガさんは、漫画が好きで、俳句が好きで、なんだかそんなところも親近感です。

「土星マンション」の岩岡 ヒサエさんも、「泣くのはおよしよ仔リスちゃんの」アユヤマネさんも日記で取り上げてたりして。うらやましい……

ヒグマニアのトップからいける「出版前夜」は、出版にいたるまでの苦労が読めて、とても勉強になります。俺もがんばらなきゃー。

ちなみに、俺のツボヒグマは、「よーし、与党が論のすり替えするんなら、あたいは商品のすり替えをやっちゃうわよぅ!」です。猫がかいてえ。


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by bogdog | 2008-06-25 12:15 | 本の感想
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「キスで作ったネックレス」

フランチェスカ・リア・ブロックの新作。いままで5巻出てる、ウィーツィー・バットシリーズの最新作。

主人公のウィーツィー・バットが40才になっていて、しかも中年の危機(ミッドライフクライシス)を迎えていることにいきなり引き込まれた。しかもこれがおもしろい。

セックスレスなどといった切実で重要な問題と、9・11が起こす暗い影、そして自分が乗り越えなければ行けなかった問題に初めて向き合い、乗り越えて行くウィーツィーとその夫のマックス、そして娘のチェロキーとウィッチ・ベイビすべての登場人物が関わり、ひとつのラストに向かう。

ウィーツィーがキスをすると、一つ宝石が生まれる。宝石を集めてネックレスを作るウィーツィー。ピンクホテルを舞台に現実の世界と幻想的な世界が綾をなし、愛で作ったキスで暗い世界を乗り越えて行く。

くりかえし出てくる「魔法」という言葉がとても力強く感じた。(それは多分にアメリカ的なニューエイジ思想に影響を受けたものなんだろうけど。)物語を語り、それを信じることが、確かな魔法で、愛を信じて語ることで、暗い世界を乗り越えていけるのだとじんわりと思った。



フランチェスカ・リア・ブロックを初めて読んだ頃は、まだ両親にカミングアウトもしていないころで、恋人もいなかったころだったと思うから、18くらいだったろうか。

ダークとダックというゲイのカップルに、ものすごく勇気をもらったのだった。

「ウィーツィー・バットシリーズ」を読んでから、僕の物語が始まったのなら、僕はいつか誰かに自分の物語を語らなくちゃいけないのかもしれない。



「破壊(destroy)ということば思い浮かべてみるといい」男がいった。「それがどういう意味かわかるか? それは物語をなくす(de-story)ということなんだ。それから復活(restore)ということば。これはふたたび語る(re-story)ということなんだ。ホロコーストで生きのびた人々の支えになったものがふたつある。ひとつはマッサージだ。そしてもうひとつは、自分たちの物語を語ることだ。触れられることと、触れること。物語を語るということは、触れることなんだ。そうすることで、きみは自由になれる」(「ベイビー・ビバッブ(ウィーツィー・バット ブックス5)」フランチェスカ・リア・ブロック より)

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by bogdog | 2008-04-13 19:31 | 本の感想

秘密の花園

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なぜか知らないけど、初めからずっと泣きっぱなしでした……

誰からも愛されなかった女の子が、お金持ちの家に引き取られて、そこにある「秘密の花園」を見つけて、子供たちで、その花園に花を咲かせようとする、というお話。

世界がどんなものかわからないから、それゆえに絶望しているけれども、手を伸ばして世界の神秘に触れて、子どもらしい感性で生きていく子どもたち。

言葉にするとすごく陳腐なんだけど…

まだ生きて行けると思った。
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by bogdog | 2008-03-27 02:03 | 本の感想

シルバーチャイルド

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「シルバーチャイルド」クリフ マクニッシュ

(あらずじ)コールドハーバー、荒れはてたゴミの街―。自分の体の異変に気づいたとき、6人の少年少女は、なにかに導かれるようにコールドハーバーをめざした。そこに、ある「使命」が待っているとも知らずに…。銀色に燃える体、虫のような手足の少女、巨大化した少年、癒しの力、心を読める力―。“特殊能力”を授かった子どもたちの戦いがはじまった。


 子どもが変化していく描写がグロクておぞましくてフリークスでなかなか好みでした。急に自分でも気がつかないうちに体が変化してしまって、よくわからないその変化に振り回され、子ども同士でそんなイライラをぶつけたり、葛藤したり死ぬ目に合ったりするお話。

 もし本当の意味で「未知の」力を得たとしたら……そしてそれが見た目にはおぞましい姿に変容するものだとしたら……? しかもそれが子供だったら? 予定調和でない、ストーリー展開にハラハラしました。最後のオチがスケールでかくてよかった。ていうか、カバー怖いな。



 高校生のころから、大学生のころにかけて、金原端人さんの訳の本が好きでいくつか読んでたんだけど(「ホエール・トーク」や「ウィーツィーバットシリーズ」)なんとなく文体が昔読んだ頃と感じが違ってた。ラノベの読み過ぎで、こういう文体に違和感を感じる体質になってしまったのか……自分、変わっちまったよ……

 で、今「金原水端」って名前間違えて検索したら、自分が前持ってたWEB日記がヒットして驚愕した。変わったと思いきや、何も変わっちゃいないことに気がついて少しほっとした。
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by bogdog | 2008-03-03 02:07 | 本の感想

ダ・ウィンチ2月号

 ダ・ヴィンチ2月号を購入。

 特集は「この小説の書き方がすごい!」と「よしながふみは好きですか?」

 よしながふみ特集、てっきりインタビューかと思ったら、萩尾望都と三浦しおんの対談だった。もちろんこの二人なので読みが非常に深く、よしながふみの漫画って奥が深い! と思える対談でした。でも、やっぱりインタビューが読みたかった。ダ・ヴィンチって、こんな風に作者じゃなくて、他の人が語るのが多いのかな? 先月号ではケンコバがジョジョを語っていたような。

 「この小説の書き方がすごい!」は、現代はケータイ小説や萌え系なんかが主流だけど、そういうのはとっくに昔の文豪が書いてた、というやつで、そんなに目新しくなかったけど、これは企画力の勝利、というところ。

 あと、伊坂幸太郎のインタビューとか、桃山ビートライブの人のインタビューとか。座談会とかありました。「ゼロ世代の文学」の意味があまりよくわかりませんが、なんとなく雰囲気はわかりました。まず絶望して、それから退屈で愛すべきこの日常を、あまり多くを語らないけどそばにいる理解者と手を取りながら乗り越え、希望へと至る道を見つけるのをなんとなく感性で書けばいいんじゃないでしょうか。希望への道を見つけるだけでそこに至らないのが文学っぽい。キーワードは「絶望」と「共感」と「希望」だと思う。

 経歴も華やかな作家やライターさんがたくさんいて、吾妻ひでお氏が、みんな活躍してるから読んでるとムカつく……ということを言ってたような気分になりました。バカにもできない、隙がない作りをしていらっしゃる。
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by bogdog | 2008-01-18 00:00 | 本の感想

キーリ

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 ◯今日のラノベ
「キーリ」壁井ユカコ
 霊感のある女の子が、不死人とラジオの中に入った幽霊と一緒に旅をするお話。世界観うんぬんはがっつり語らせなくても、なにげない描写で書けばいいんだ、ということがわかりました。言葉がツボにはまればすごく好きな作家なのかもしれない。

 スピリチュアルなネタは特にそうなんだけど、作家の世界観や考え方を登場人物に語らせてる感じが見えちゃう系の本になって、ちょっと苦手なんだけど(田口ランディの小説とか)そう思わせないだけのキャラ設定やストーリーの流れですが見事です。電撃文庫さんはレベル高いですね。

 あと、この作家さん、柴犬を飼ってて羨ましすぎる。いいなあ柴犬。中途半端に海外で住んでるとか、豪邸持ってるとかいうより、”柴犬を飼ってる”というようがリアルに羨ましくて励みになるってもんです。
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by bogdog | 2007-12-24 01:24 | 本の感想
 電波系ホラーの大家、牧野修先生の新作、「ネクロダイバー」
 オタク的な情報としては、表紙を吉崎観音が描いてます。(ケロロ軍曹の作者)同じ角川といえ、どういう繋がりなんだ? て、いうか、ケロロ軍曹の絵からは想像もつかない! 憶測なんだけれども、吉崎観音、牧野先生のファンなんではなかろうか。ケロロで稼いでる人が、わざわざ小説の押絵を描こうとしないだろうし。

 
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 ででで、感想なんだけど、面白かったけど、うーん、牧野先生にしては……という感じ。元々がケータイ小説ということで、とても読みやすかったんだけれども。「だからドロシー帰っておいで」のような、サザエさんの歌を歌いながら惨殺、といった鬼畜を通り越して、理解不能な電波系に激しく憧れているのよ!

 
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 しゃてしゃて、牧野先生名義でこっちも買いました。まだ読んでないのだけれども。ノベルゲームの小説版だそうです(表現合ってるるよね)激しく惹かれます。ノベルゲームってやったことないんだけど、「かまいたちの夜」とか? そういえば、志村貴子先生も「恋島」っつうケータイ用ノベルゲームのキャラ設定したらしいし。まだ単行本化されてないんだけど、シリウスに連載中の「ルート225」、微妙なSF具合と、少年少女の心理が描かれてて、ツボすぎます!

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by bogdog | 2007-12-18 03:27 | 本の感想